ダイエットを始める時、食事内容の改善や、運動を始めるなどの方法を考えますよね。
炭水化物ダイエットや、リンゴダイエットなど、極端に食事内容を変更したり、食事量を減らしたりしたことはありませんか?
私も、以前に一日の摂取カロリーを1000Kcal以下に抑えて、ハードな筋トレを行って、ダイエットをしたことがありましたが…
体重は1か月で5キロ減ったものの、毎日疲れやすく、精神的にいらいらして落ち着かなくなってしまいました。
ほぼ空腹状態で運動をしていたこともあります。
それが、効果的なダイエットではないと、身をもって思い知ったわけなのです。
しかし、一説では、空腹時の運動は脂肪燃焼を促す…という話も聞きますよね。
そのへん、本当のところはどうなのでしょう?
空腹時の運動によるダイエットについて調べてまとめてみましたので、効率的なダイエットについてもふくめ、ご紹介しますね。
空腹で運動すると太るというのは嘘?本当?
まったく相反する2つの意見があります。
- 空腹時に運動をすると脂肪燃焼を促せるので痩せる
- 空腹時の運動は、運動後の過食を招くので痩せない
①の意見は、わりと昔から言われていた節です。
その根拠は、運動によって燃焼されるのは糖だけでなく、脂肪であり、空腹時の方が、より燃焼材料として脂肪が使われやすくなるというもの。
体内の燃焼システムは以下の通り。
- 運動により体内のブドウ糖が消費され、血糖値が抑えられる
- 血糖値調節を行うインスリンの稼働が活発になり、ブドウ糖処理が効率化される
- ブドウ糖がなくなった時、次のエネルギー源として脂肪がターゲットとなる
つまり、血中に糖が少ない状態にしておけば、糖燃焼モードから脂肪燃焼モードへの切り替えを早めに行える…というわけで、①の説が唱えられていたのですね。
しかし、最近、書籍やテレビでも紹介されましたが、①の説には不足があるのです。
医療的に、①の説で運動した場合、血糖値の変動が激しく健康を害するのは明らかなのです。
空腹時の運動ではかえって太るのはなぜ?
なぜ、空腹時の運動による血糖値の変動が“太る”につながるのでしょうか。
実は、①の説において体内の燃焼システムにおける不足点が大きな問題なのです。
先ほど、ブドウ糖がなくなれば次の燃焼ターゲットは脂肪になる…とありましたが、脂肪燃焼は、糖質をエネルギーに変えるよりも効率が悪いのです。
そして、ターゲットの脂肪の後にターゲットとされるのは筋肉のたんぱく質(アミノ酸など)なのです。
人間の体は、燃焼ターゲットにしたいブドウ糖が少なくなり、低血糖状態になると、肝臓がブドウ糖を作り出そうと頑張ります。
その際に、何から作り出すのかというと、先ほども述べた筋肉です。
このように筋肉を作ろうとして運動しているのに、筋肉を壊していっているという、負のサイクルを生み出し、疲れやすく、まったく体を引き締めることにはつながらなくなるのです。
私がかつて感じていた、日々のだるさは自分自身で筋肉の破壊活動をしていた結果であったのですね…
さらに、肝臓の頑張りが功を奏してブドウ糖を作り出しちゃったことで、血糖値は急激に上昇します!
低血糖状態でも、めまいや吐き気を感じますが、高血糖状態でも同様の症状が現れるのです。
血糖値が低すぎても高すぎても、重症化すると意識障害や場合によっては死に至ることもあります。
まあ、さすがに、空腹時の運動だけでは、一時的な血糖値の変動なので、そうそう重症化することはありませんのでご安心ください。
その後、急激な血糖値の上昇とともに、インスリン分泌も増え、筋肉の修復を邪魔され、加えて空腹感も高まります。
その空腹感が、運動後の食事において、過食してしまう原因ともなり、むしろ太る、という結果になってしまうのです。
また、インスリンとは肥満の原因と言われており、インスリンは余った糖分を脂肪として体内に溜め込む特徴があるそうです。
つまり、運動により消費しきれなかった糖分を、大切にとっておいてくれちゃって、結果、脂肪の貯蔵につながっているのですね。
以上のように、①の説では不足であった、脂肪を燃焼ターゲットとした“その後”の体内の燃焼システムをわかっていないと、空腹時の運動を行い、むしろ太るという道筋をたどる可能性があるのですね。
脂肪燃焼効果と効率的にダイエットするための基本的な考え方とは?
効率的なダイエットを成功させるには、先ほども述べた通り、体内の燃焼システムを理解しておく必要があります。
要約すると、空腹時の運動が痩せない根拠については、以下の4つのポイントになります。
- 脂肪燃焼は糖燃焼よりエネルギー効率が悪い
- 低血糖状態になると肝臓が頑張って筋肉を消費してブドウ糖を作ってしまう
- 血糖値の急激な上昇により体調が悪くなる
- インスリン分泌が増加すると空腹感が増して、運動後の過食につながる
これらの根拠を踏まえて、運動前に軽食(200Kcal程度)をとることが、効率的に脂肪を燃焼し、効果的に筋肉を鍛えることができるのですよ。
お勧めのダイエット方法をご紹介♪
それでは、効果的なダイエットを成功させるポイントをいくつかご紹介しましょう。
日常的に運動を行い、筋肉を育てる
とても初歩的ですが、脂肪を燃焼させるには、摂取カロリーが消費カロリーより上回ってはいけません。
しかし、なかなか摂取カロリーを上回るのは難しいですよね。
そこで、日常的に筋肉を育てることで、基礎代謝量が高まり、何もしていなくても消費されるエネルギーが多くなり、痩せやすい体質になるのです。
20分未満の運動でも効果はある
かつては、運動によって脂肪燃焼させるには、運動する時間、量が大切で20分以上じゃないと効果がないといわれていました。
この根拠は、先に述べた“空腹時の運動によるブドウ糖から脂肪燃焼に切り替わる”説が根拠とされていますが、この説は不足がありましたよね。
20分未満の運動でも、運動時間の分だけダイエット効果があるというのが、最新のダイエットの考え方です。
それでも、20分以上継続して有酸素運動をつづけた方がより効率的ではあります。
ホルモン分泌を考慮して、時間帯を選んで運動する
脂肪燃焼の効率化には、体内のストレスホルモンの分泌時間も考慮しましょう。
同じ運動をしても、ストレスホルモン=コルチゾールが、朝と夜とでは血中濃度が違います。
このストレスホルモンは以下のような作用を体に起こします。
- 食欲を増加させる
- インスリンを過剰に分泌させて脂肪の蓄積を促進する
- 成長ホルモンの分泌を抑制して筋肉作りに悪影響を及ぼす
これらの作用により、代謝の悪い体質となり、痩せにくくするのです。
それでは、このストレスホルモンはどの時間帯に多くなるのでしょうか。
24時という真夜中では、運動すると増えやすいので避けましょう。
一番ストレスホルモンの分泌が低いのは、朝の運動が一番です。
朝7時がベストですが、それが難しい場合、19時頃なら、血中のコルチゾールもそれほど増えていないので、仕事終わりの運動の時間帯にお勧めです。
また、夕方の運動でも、日中の活動により代謝が上がっていますし、成長ホルモンの分泌が多いので、おすすめです。
この成長ホルモンは、筋肉量を増やし、老化を防止してくれるので、アンチエイジングにも効果があります。
時間が取れなくて、どうしても夜に運動する場合は、交感神経を目覚めさせてしまうようなハードな運動はしない方がよいです。
副交感神経を刺激してリラックス効果をもたらすようなヨガやストレッチ、腹式呼吸などを行うとよいでしょう。
脂肪燃焼に役立つ褐色脂肪を味方にする
「褐色脂肪」とは、人間の体温を保持するために熱を出し、エネルギーを消費する役割を持っています。
褐色脂肪は、首の後ろや脇、肩甲骨といった限られた部分にしかついていません。
この部位に、寒冷刺激を与えることで、エネルギー消費を活性化させることができます。
水泳ならば、意図的に行わなくても褐色脂肪に寒冷刺激を与えられますね。
もしくは、運動前後のシャワータイムに、褐色脂肪のある部位に冷水を当てて刺激を与えると、さらに運動の効率がアップしますよ。
おわりに
空腹時の運動がいかに体に負担をかけてしまうのかを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
痩せたい!という気持ちで無理な食事制限や無鉄砲に運動をするのでは、かえって太る可能性があるのですね。
燃焼システムがどのように体内で起きるのかをふまえて、運動前に軽食をとるのがベストなのは確かなようです。
また、燃焼システムにかかわるホルモンや褐色脂肪を意識して生活習慣をちょっとだけ整えてみると、日常的な動きだけでも代謝が上がり、ダイエットにつながりやすくなりますね。
皆さんのダイエットが効率的に、そして効果的に成功しますように、今回の記事が参考になれば幸いです♪