昨今頻繁に耳にする豚コレラ(トンコレラ)の感染!? というニュース。
これによって困ること、気になること、それは、、、
「人間にも感染するの?」
「というかこれで豚肉高騰しない?いつまで高いの!?」
というところですよね。
今回は豚コレラ感染に伴う我々への影響(豚肉影響、人間への感染)などについて、情報を集めて行きたいと思います。
この記事を読んで、必要な備えを行いましょう!
豚コレラで豚肉の高騰はいつまで?!
豚コレラにいったん感染が流行すると、その被害はいつまで続くことになるのでしょうか?
豚コレラの感染被害は、ダイレクトに豚肉の高騰に寄与します(詳細は後述)。
そうなるとこの事態がいつまで続くのか、いつになったら終息するのかが大変気になるところではあります。
今から26年前の2004年に発生した事例では、鹿児島県鹿屋市での抗体発見から清浄化の公表という形での終息に至るまで、実に7か月を要しています。
実際に養豚業を営む農場が体制を立て直し、流通も元の通りになるまでにはもっとかかったことでしょう。
しかもこのときはワクチン接種による疑似患畜の増加であって、病気そのものの流行ではなかったにもかかわらず、かなりの時間がかかっています。
今回の千葉県の豚コレラ疑いのニュースは、国の実施した検査で幸いにも陰性という判断だったことで、心底ほっとしてしまいますね。
ただ、豚コレラではない、ということではありましたが、二十数頭が死んだはっきりとした原因については明らかになっていません。
県でも引き続き原因の特定を急ぐそうですので、どのような理由で豚が死んだのか、続報を待ちたいと思います。
2019年2月6日追記
現時点で発生から5カ月が経過しておりますが、未だ感染の拡大傾向が見られています。
このペースですと、26年前の終息7か月では間に合わない可能性が高いと考えられます。
被害が長引けばその分、我々への影響(豚肉高騰)が大きくなると思われますので、早期終息を待望致します。
また続報がありましたら追記致します。
今回の発生状況と過去の事例
今まであまり聞きなれない”豚コレラ”ですが、実は昨年に再発するまでは数十年に渡って目立った感染報告はありませんでした。
そんな”豚コレラ”について、今回の発生状況と過去の事例について追ってみましょう。
今回の発生状況
2018年9月9日(日)、岐阜県岐阜市の養豚場にて豚コレラの発生が確認されました。
実に26年ぶり!
その後岐阜県内で計7件の豚コレラ発生事例が認められました。
その後感染は拡大し現在執筆時点で長野、滋賀、大阪、愛知にも検査で陽性結果が確認されています。
岐阜県の事例を併せて、実に1府4県。
発生から5か月が経過して、未だ拡大が広がっています。
これは前回の発生に比べて非常に大きな感染事例と考えまられます。
愛知県において8240頭の殺処分が行われたとのことです。
2018年5月
5月23日(水)、千葉県の旭市の、6000頭を飼育する養豚場で豚コレラの疑いのある豚が発見されました。
二十数頭が死んでしまったり、下痢の症状のある豚も二十頭以上いたりと心配な状況でした。
県の家畜保健衛生所で行った簡易検査では、4頭から陽性が出ました。
その後、国の研究機関で詳細な検査をしたところ、陰性と判明。 …とりあえず一安心といったところでしょうか。
1992年12月、2004年3月
26年前、熊本県で、日本で最後の豚コレラが発生しました。
自然由来の感染だったようです。
以来、ワクチン接種を徹底し、輸入検疫強化などで撲滅を図ってきました。
その後、抗体検査・抗原検査などの野外調査でも、豚コレラの発生報告はなく、1992年の熊本での事案が国内の最終発生ということになっています。
2006年にはワクチン接種も全面中止され、日本は豚コレラに関しては、OIE(国際獣疫事務局)規約に従って清浄国となっていました。
2004年に、鹿児島県鹿屋市で豚コレラの抗体が発見されたという報告がありましたが、これはウイルス感染が原因ではなく未承認ワクチンの接種によるものでした。
その際陽性になった豚は豚コレラ疑似患畜と確定診断されました。
相当数の殺処分や消毒などの防疫活動、抗体が発見された養豚場に対する行政指導が行われましたが、ほかのいくつかの養豚場で同一のものとみられるウイルスが発見され、殺処分、移動自粛、畜舎の消毒などの対応がされました。
この時は豚コレラが流行したわけではなく、あくまでもワクチン接種によるもので、陽性となった豚もすべて疑似患畜として扱われました。
ネズミの駆除や消毒が徹底され、清浄化が進み、事態が終息するまでに時間がかかりました。 鹿児島県全体の清浄性が確認されたことが公表されたのは同年11月のことでした。
豚コレラの感染経路とは?
そもそも、豚コレラとは一体なんなのでしょうか?
そして、どのような感染経路をたどるのか、気になりますね。
フラビウイルス科ペスチウイルス属豚コレラウイルスという聞きなれないウイルスによる、豚の病気です。
致死率の高い病気ではありますが、人間のコレラとは症状が異なるもののようです。
豚・イノシシ等に特有のもので、人間には感染しません。
発症の仕方も多様で、健康に見える豚から感染が拡大することがあるようです。
感染した豚自体が移動すること以外にも、ウイルス汚染された車両や人、豚肉の加工品の移動が感染拡大の原因になります。
人間には感染しませんが、ネズミや、ペットの犬や猫が伝播してしまうことも。
豚コレラが流行したら…
死亡率が高く、感染力の強い伝染病である豚コレラ。
OIEでは最も危険度の高いリストA疾病に分類しています。
日本でも家畜伝染病予防法で家畜伝染病(法定伝染病)に指定されています。
この豚コレラが実際に流行したら、どのような事態が引き起こされるのでしょうか?
なんといっても経済的損失が大きくなることは否めません。
鳥インフルエンザや牛海綿状脳症(BSE、通称狂牛病)、口蹄疫などが話題になったこともありましたね。
その時にも、対象の食肉の輸入に制限がかかったり、検査の手順が増えたりしました。
大手牛丼屋チェーンで牛丼の提供が中止されたりしたことも記憶にあるかもしれません。
安全性に疑問・不安があるとどうしても買い控える傾向になるため、鳥インフルエンザやBSEの影響下では鶏肉と牛肉の売上高は前年より1割ほど下回ったそう。
もしも豚コレラが流行するようなことがあれば、同様の心理が働くことは容易に想像できます。
実際に感染を出した養豚場だけではなく、全国の農場にも影響は飛び火するかもしれません。
また、鳥インフルエンザの流行時には、卵の価格が高騰しました。 逆に、BSEの影響で、牛肉は価格が下落し、その分代替としての豚肉・鶏肉の価格が高騰するなど、私たちの食卓に直接的な影響が大いにありました。
豚コレラが流行したら…家庭の食卓が大きな影響を受けることは間違いなさそうです。
まとめ
5月23日に千葉県旭市の養豚場で豚コレラ陽性が出たという衝撃的なニュースがありました。 その後、県の精密検査で豚コレラは陰性ということがわかりました。 はっきりとした原因が明らかになっていないため、今後も引き続き調査が行われるようです。 豚コレラだった場合(あるいは他の伝染病だった場合でも)原因を特定し、ウイルスを排除して、畜舎の消毒などの清浄化が終わるまでにはかなりの時間がかかることが予想されます。 豚肉や、その加工品の価格などにも、影響が出ることは懸念されます。 ですが、賢い消費者として、パニックになることなく冷静に見守るようにしたいですね。