椎間板ヘルニアと診断された腰痛。
急性期を過ぎたら、積極的なトレーニングを導入し、再発防止を行っていきましょう。
→急性期の治療方法はこちらをご参照ください。
なぜ筋トレが必要か
椎間板ヘルニアは、主に腰椎のショックアブソーバーである椎間板が、様々な負荷により椎間から飛び出してしまい、それが神経に当たることで症状が出るものです。
つまり、椎間板にかかる”負荷”を何らかの方法で軽減してあげれば、再発のリスクが低減されることになります。
椎間板にかかる負荷を減らす方法として、以下のようないくつかの方法が考えられます。
- 負荷をかける行為自体をしない
- 腰痛コルセットで補助する
- 正しい姿勢を身に着ける
- 椎間板周りの筋肉を鍛えて、ショックアブソーバーの補助とする
しかしながら、「負荷をかけないようにする」といっても、仕事や生活をする上で100%徹底するのは難しいと思います。
また腰痛コルセットを用いる場合でも、今後一生常にコルセットを腰に巻く、というのはあまり現実的ではありません。
そうなると、正しい姿勢とショックアブソーバーの補助を考えていく必要があります。
この2つを達成できるのが、筋肉トレーニングです。
トレーニングのターゲット
では一体、どこの筋肉を鍛えれば良いのでしょうか?
それはずばり、体幹です。
インナーマッスルという呼び名でも有名ですね。
近年急に話題になってきた筋肉群のことです。
インナーマッスルとは
インナーマッスルとは、図の青く囲んだ部分のことを言います。
いわゆる筋肉もりもりなどと表現される表層部の筋肉ではなく、見た目からはその状態が分からない深層部にある筋肉となります。
この筋肉は、姿勢や関節、内臓の位置を保持するための筋肉となります。
スポーツ選手などやヨガ・ピラティスをやられている方はこの筋肉が発達している為、複雑な体勢をとっても安定していられるのです。
また見た目からは筋肉の量が分かりにくいということもあり、この筋肉を積極的に鍛えてももりもりになりません。
それが理由で、女性のプロポーションや体型づくりとしても注目を浴びております。
インナーユニットとは
このインナーマッスルは、大きく4つの部位で構成されます。
「胸郭」
「脊柱」
「インナーユニット」
「骨盤&股関節」
どの筋肉も基本的にはそれぞれの部位の関節、内臓の位置をキープすることになるわけですが、ここで注目したいのが、図で示した青い部分。
「インナーユニット」
これは腰回りに位置するインナーマッスルとなります。
インナーユニットを鍛えることで、腰椎周りの関節や内臓の位置をキープしてくれる。
これは即ち、椎間板への負荷をダイレクトに軽減してくれることになるのです。
よって、
- インナーマッスルを鍛えることで、正しい姿勢を手に入れる。
- 特にインナーユニットを鍛えることで、ショックアブソーバーの補助も期待できる。
ということになるわけです。
実際の筋トレメニュー
では実際に、このインナーマッスル、特にインナーユニットのトレーニングについてみていきましょう。
インナーユニットは、4つの筋肉で構成されています。
(出典https://aoba-himawari.com/)
この4つの筋肉を鍛えていくことになります。
多裂筋
横隔膜
腹横筋
骨盤底筋
筋トレ以外の方法
筋トレ以外の方法としておすすめなのが、ウォーキングです。
理由としては、歩行中の姿勢維持及び下半身の関節運動に伴う、インナーマッスルのトレーニングが期待できるからです。
また、筋トレはストイックな気持ちでやる必要がありますが、ウォーキングは気分転換やストレス発散の効果もあります。
その為、比較的継続しやすく、心身共に健康な状態へと導くことができます。
ここで注意したいのが、ジョギング。
ウォーキングを続けていくと、足腰や肺活量が鍛えられ、物足りなさを感じる方がいらっしゃいます。
そんな時、「もっと負荷をかけよう」とジョギングに切り替えてしまいがちなのですが、これはNGです。
ジョギングは、言ってみれば細かいジャンプを繰り返し繰り返し行っているということになります。
これは椎間板への負荷が大きくなり、椎間板ヘルニアの再発防止としては本末転倒となってしまいます。
十二分にショックアブソーバーがパワーアップできた暁には、ジョギングも出来るようにはなると考えるのですが、それまでは我慢しましょう。
まとめ
今回は椎間板ヘルニアの根本治療、再発防止のための筋トレメニューについて解説いたしました。
椎間板への負荷を軽減させるために、インナーマッスル、特にインナーユニットを鍛えてショックアブソーバーの補助を完成させましょう。
今回紹介した方法で、アナタの腰痛に少しでも寄与出来たら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。