いくら体を洗っても、いくら香りを重ねても、いくら洗剤を変えても、かおる体臭。
一度体臭が気になり始めると、人との交流が億劫になりますよね。
話している相手の表情が渋くなってきたり、果ては家族や友人に指摘され、体臭に悩んでいる方はいませんか?
体臭には様々な種類や原因がありますが、もしかしたら、あなたの体臭は病院で治療すれば治るものかもしれません。
自宅での対処でどうにもならない体臭は、病院での根本治療で手っ取り早く治せるのです。
- 何が原因か
- 何科にかかればいいのか
- 病院での治療がどのようなものがあるのか
このような疑問を解決できるように、今回は体臭に関する知識をまとめてみました。
体臭の原因とは?疲労によって体臭悪化!?
まず、原因が違うと臭いの種類も異なることはご存知でしょうか。
ここでは、体臭の種類や原因についておさえていきますね。
体臭は「汗や皮脂から発生するもの」と、「それ以外の要因で発生するもの」と、大きく2つに分類されます。
「汗や皮脂から発生する体臭」は、汗または皮脂が、皮膚常在菌により分解され、酸化することで発生します。
ワキガはこれに当てはまります。
一方、「汗や皮脂以外の要因で発生する体臭」には、加齢に伴う身体の中の酸化、疲労やストレス、病気など、その他さまざまな原因があります。
最近、働く女性に増えている“疲労臭”は、後者の種類のもの。
ストレスや疲れがたまって肝臓の機能が低下し、分解されないアンモニア成分が汗と一緒に出てニオイを発します。
このニオイは、体の中からのケアが大切です。
入浴で代謝を促したり、肝臓の働きを助けるオルニチンを含むシジミの味噌汁を飲むのがオススメです。
もし食事で改善しなければ、肝臓の機能を助けるサプリメントでも効果はあると思います。
病院で相談した方がよい体臭とは?
疲労臭の場合もですが、汗や皮脂で発生する体臭ではない、病気によるものは以下のようなニオイがあります。
- 甘酸っぱい体臭:糖尿病
- 尿のようなアンモニア臭の体臭:肝臓や腎臓疾患のおそれ
- 生物のような体臭:肺や大腸系の疾患
- ドブやカビのような体臭:肝機能の低下
- 卵の腐ったような体臭:胃腸の病気
- 便臭:便秘
病気ごとに異なるニオイが発生するので、生活習慣改善してもだめなら内科を受診しましょう。
そして、これらの内臓系の病気からくる体臭と異なるのが、玉ねぎや香辛料のクミンのような体臭がする、「ワキガ」です。
ワキガはわきからのニオイが特に強く、先ほど述べたように、時と場合によらずアポクリン腺から発生する困った体臭なのです。
また、ワキガの方の場合は以下の特徴も持っているので要チェックです。
- 耳垢が湿っている
- わき毛が多い
- 衣服のわきの部分に黄色いしみがつく
- わき毛に白い粉がつく
- 気温や精神状態に関係なく、汗を多くかく
- 家族や親戚にワキガの人がいる
ワキガが確定してそうならば、皮膚科か美容外科が一番適しています。
体臭のセルフチェック方法
それでは、どのようなニオイがしているのか、自分の体臭をチェックしてみましょう。
このチェックにより、実は臭っていないという事実に気づけるかもしれません。
精神疾患で、自分に体臭があると思い込んでいる病気もあるので注意です。
日中に着た衣服や、夜間に着ているパジャマなどで以下のような手順で確認していきます。
- 入浴前に脱いだ衣服をビニール袋に入れる。
- 入浴で身体をきれいな状態にし、浴室の水蒸気の影響で嗅覚をリセットする。
- 袋のニオイを嗅ぐ。
入浴後に嗅ぐ袋のニオイが、普段、周囲の人が嗅いでいるあなたの体臭なのです。
また、わきのニオイも以下の3つの方法でチェックしましょう。
- ティッシュをわきの下にはさみ、1時間後にティッシュのニオイをチェック。
- ラップをわきの下に密着させ、3分後にラップのニオイを確認する。
- 汗をかいている場合、ティッシュやタオルで拭き、すぐに嗅いでみる。
他には、頭や口、足の臭いは直接触れるものである、枕や歯ブラシ、靴などのニオイを確認してみましょう。
口のニオイのチェックでは、病気による異臭が発見できるかもしれません。
体臭への日常生活での対策
さて、病院へ通う前にできることはないのか!
そこで日常生活での対策をご紹介しておきますね。
ワキガなどの、汗や皮脂から発生する体臭に対しては、体を清潔に保つことが基本的な対策です。
そのポイントとして次の3つが挙げられます。
汗を減らす
ワキガのニオイはアポクリン腺から出た汗が原因ですが、エクリン腺からでた無臭の汗も、細菌に分解されることで、ニオイを発生します。
皮膚の上にとどまる汗を減らすことでかなりのニオイを抑えることができます。
入浴したり、汗を拭いたりして肌を清潔に保つほか、こまめな着替えも行ってみましょう。
細菌を減らす
汗を分解する常在細菌は、身体を外的刺激から守る役割があります。
常在細菌の適度なバランスを保つためには、細菌の繁殖や増殖を抑える石鹸やデオドラント製品を使用してみましょう。
衣類のケア
肌を清潔に保ち、こまめに下着を交換しても、洗い立ての衣類がニオイの元となっていることがあります。
下着など衣類の繊維に入り込んだ菌は、ふつうの洗濯では十分に落とすことができません。
ニオイが気になる衣類は、酸素系漂白剤での漬け置き洗いが効果的です。
以上のような対策を講じても、症状の強くなったワキガには太刀打ちできず、体臭がストレスになってくる…そのような方は病院へ相談です。
病院での診察、治療はどのようなことをするの?
病気による体臭の場合はその病気を治せば改善されますが、ワキガはそうはいきません。
そこで、病院での治療をご紹介しましょう。
さきほど、皮膚科か美容外科への受診をオススメしましたがv、もしかしたらワキガと思っていたら違う原因だった…ということもあり得ますので、的を絞らずに総合病院へ行くのもアリです。
総合病院には案内係がいますし、相談して適切な診療科を紹介してもらうのは、多くの人が利用しているので、体臭で…と恥ずかしがる心配はありません。
ワキガと的をしぼって受診する美容外科ですが、体臭、特にワキガの治療もしています。
料金は総合病院より高いかもしれませんが、保険適用のワキガの手術をしてくれるクリニックも少なくありません。
しかし、美容外科は、手術が専門のため、どうしても“手術ありき”の診療になりがちです。
一方、皮膚科では、まず本当にワキガであるかどうかの診断からはじまり、手術以外での治療方法の検討も十分にされるでしょう。
手術をするのは、ほかの治療法をためしてからでもOKです。
軽度のワキガには薬を使った治療を行います。
汗を抑える塗り薬や、ストレスをかけないように精神安定剤が処方されることがあります。
軽度~中等度のワキガには注射や電気・レーザー・音波などによる治療を行います。
代表的なものは、
- ボトックス注射
- 電気凝固法
- ミラドライ
- ビューホット
があります。
【ボトックス注射】では、発汗を指令するルートを妨害して汗を出さないようにします。
この注射は5~10分程度で完了し、2~3日後くらいに効果が現れはじめますが、効果は永遠には続きません。
持続期間は3~6ヶ月程度であるとされています。
【電気凝固法】は、永久脱毛法のひとつですが、ワキ毛と同時にアポクリン汗腺や皮脂腺を熱で破壊し、機能させなくします。
30分程度の施術を2~3ヶ月に1度、合計2~6回行うのが一般的です。
メスをいっさい使わないため、傷跡はできませんし、局部麻酔を使うので、痛みも感じません。
【ミラドライ】は、マイクロ波照射の深さや幅を、汗腺の位置に合わせることにより、アポクリン汗腺とエクリン汗腺を焼き切る方法です。
施術には1時間ほどかかります。
肌を切らないため、メスの跡は残りませんが、何か所にも打つ麻酔が痛かったり、術後しばらく照射の痛みが続いたり、腫れが出る場合もあるといわれています。
また、アポクリン腺が再生してしまうこともあるようです。
【ビューホット】は、高周波を利用してアポクリン汗腺やエクリン汗腺を破壊する方法です。
針がたくさん付いた機械を患部にあて、肌表面を冷却しつつ高周波を流します。
両脇20~30分で治療は完了します。
メスは使いませんので縫合跡は残りませんが、汗腺以外の部位にダメージを与える可能性がありますし、一度でワキガ治療が完了するかについては、疑問の余地があります。
以上の治療でも治らないワキガの症状が重い人の場合、ワキガの原因であるアポクリン腺を、メスを使った手術で取り除く方法を取ることになります。
そして、これらのような根本治療をするにはお金も時間もかかります。
治療法によって金額差はありますが、保険適用外の治療もあるので50万円以上かかる場合もあります。
おわりに
体臭の原因や、日常生活と治療による対策についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
体臭に悩むと言ったらワキガだと思いがちでしたが、疲労による体臭もあるのは驚きでした。
体調管理に気を付けないと内臓に様々な負荷がかかるので、気になる体臭として体がおしえてくれるのですね。
そう、体臭を医療機関に相談することは恥ずかしいことではないのです。
しっかり体臭を治したい気持ちがあるならば、気軽に病院へ行ってみると、案外すぐに解決するかもしれません。
今回のご紹介があなたの体臭への悩みの解決の糸口になれば幸いです。