鬱で仕事に行けない、休むことが続く方へ 現状を受け止め復帰につなげよう!

なんとなく憂鬱。

元気・やる気が出ない。

それまで好きだったことが楽しくない。

…人間誰しもそういう時はあるはずです。

ただ、そういう「うつ」な気分がずっと続いたら?

そのせいで仕事に行けなくなったとしたら?

メカニズムを紹介し、回復・復帰への手段と道筋を一緒に考えてみたいと思います。

憂鬱な気分と抑うつ状態、うつ病の境目とは

誰もが少しくらい憂鬱な気分を抱えることはあります

雨が降っただけでも、なんとなく気分が沈む、ということも。

雨が降ったせいで外に遊びに行けないから元気が出なかったけれど、翌日晴れればカラッと元気が出る、というのであれば何の問題もないのでしょうが、そうでないとしたら、少々問題かもしれません。

もちろん、落ち込んだ気分が続いたら即うつ病というわけではありませんが、対処を怠るとうつ病が発症してしまう可能性は十分あります。

この「憂鬱な気分」「なんとなく気分が沈む」が強く現れている状態を抑うつ状態といいます。

うつ病は事故による怪我のように急に現れるものではなく、じわじわと進行して、耐えきれなくなったところに発症するものです。

ですので、明確な境目があるわけではありません。

血液検査の数値でいくつ以上なら○○病の疑い、という風にはいかないのです。

うつ病は、簡易なテストなどで「ひょっとしたら…」ということに思い当たることはできても、やはり病院に行かなくては診断がつけられるものではありません。

抑うつ状態が強く、長く続く場合に、「ひょっとしたら…」にいかに早く気付くかが大事です。

うつで仕事に行けない状態になるメカニズム

なぜ仕事に行けなくなるのでしょうか?

うつ病にもいくつか種類があります。

いわゆるうつ病と呼ばれるもののうち、典型的なものが内因性のうつ病です。

主に、ストレスが引き金になることが多いですが、はっきりした原因がないという場合も。

脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン等)の働きが悪くなっているために引き起こされると考えられていますが、確実にはわかっていません。

うつ病は、症状に対して名前を付けることはできても、なぜそうなったのかは、結局はよくわからないということになりますね。

仕事に行けないのも、理由は、それぞれ異なるのではないでしょうか。

ただ、肉低的にも精神的にも疲れてしまう、疲れている、という人は多いかもしれません。

また、職場では「頑張る」ことが当たり前とされている中、どうしても「頑張れない」となると、居場所がなく感じてしまうのもあるのではないでしょうか。

誰もが当たり前にやっている(ように見える)ことができない…というのはかなりつらいですね。

ある種の悪循環のように、頑張れないこと、疲れてしまうこと、そんな自分を責めてしまうことがループした結果仕事に行けなくなってしまいます。

さぼってやろうと思っているわけではなく、どうしても行くことができないという状態に、ふと気づくとなっている…というのがうつ病だといえます。

同じ悩みを抱えている人たち

現在、日本でうつ病に苦しんでいる人の数も見てみましょう。

平成26年の厚生労働省の調査による、と医療機関で診療を受けたうつ病と躁うつ病の総患者数112万人にのぼります。

医療機関を受療していない、潜在的な患者とその予備軍の数は、その何倍にもなることでしょう。

2017年のWHO世界保健デーのテーマがうつ病だったのですが、世界では実に3億人以上の患者がいるとのデータが発表されています。

それだけ、誰でもがかかりうる病気なのだということをうかがい知ることができます。

どんな形態にしろ、何とか仕事を続けていても、とにかく『つらい』という気持ちを抱えながら働くのは大変ですよね。

簡単なことではないですが、つらい環境から離れて療養をした方がよい場合があるかもしれません。

 

実際にうつ病のつらさを経験している人の声を挙げていきます。

「新卒で入ったホテルでうつ病になり休職→フリーター→派遣事務職という状態です。

落ち着いてきたと思っていたのですが仕事のストレスか、またうつ状態になってしまい仕事中つらくてつらくてたまりません。」

「今はフルタイムで働ける状態ではないのです。帰りにさえまた救急車で運ばれるのではないかと不安をかかえながら帰り、次の日の仕事に気持ちを落としています。

どうしたらいいのでしょうか?薬を増やすべきでしょうか、甘えでしょうか、うつ病の方はお仕事どうしていますか?」

「うつがひどくて、仕事したいのに、仕事ができない・・。つらいです・・。

うつ病で休職中。

少しのストレスで、ひどく落ち込んだり、憂鬱感がたたずんでしまいます。」

「何かをして、楽しむのが、ものすごく申し訳なく感じる。

TV、ゲーム、外出、ネットするのも申し訳ない気がする。

それに、何をしても楽しいと思えないとおもう。

気が重い。毎日ため息ばかり・・。体が重くて、動くのもおっくう。ひどく疲れた感じが一日中する・・。」

Yahoo知恵袋様より引用

 

医師の診断もあり、仕事を休んでいても、仕事を休んでいること自体に追い詰められるという方も少なくありません。

やはり「普通の人は仕事をするべき」という考えがあるからでしょうか。

思い切って休んで、投薬をしてもなかなか気分は晴れてはこないかもしれません。

ですが、薬も合うものがすぐ見つからないことも多々あります。

薬が効いていないとしても、それはうつ病に苦しんでいるあなたのせいではないことだけは確かです。

薬を変えてもいいし、医師・病院を変えてもいいのです。

今、しなければいけないこと

気分が塞ぐ、なんとなくやる気がない、疲れやすい、イライラする…そういった、いわば鬱の初期症状が出始めた時点で何とか気分転換を図ることが大切です。

スポーツなどで体を動かしたり、旅行に行ったり。

涙活

抑うつの初期であれば、おすすめはなんといっても涙活です。

涙を流すことで、心のデトックスとでもいうような効果が得られます。

「泣ける」という映画や書籍に没頭してみては?

心の「ツボ」は当然みな異なりますから、「泣ける」とうたっている作品に触れても泣けない、ということは珍しくはありませんが、一切心が動かないという場合は、これも一つのバロメーターになるかもしれません。

泣くことはおろか、感情を動かすことがができないくらいに心が疲弊しているかもしれないからです。

その場合は、病院を受診していただきたいです。

周りの人に相談することで、なんとなく改善されることもあるかもしれませんが、単なる愚痴だととらえられて、励まされて終わりになってしまい、かえって心の疲弊度が上がってしまうということが往々にしてあるからです。

精神科や、身体的な症状も合わせて出ているのであれば心療内科を標榜している病院、またメンタルクリニックなどを受診できればよいのですが、これらの病院及びクリニックを受診するのは敷居が高く感じてしまうのも事実です。

精神的な状態がすぐれないだけではなく、体調面でも不調が現れることもありますし、まずは内科を受診してもいいと思います。

その際、精神的な不調、心の状態なども相談しましょう。

適切な診療科のある医療機関へ紹介してもらうことも可能です。

迷ったら、かかりつけの病院を受診するのも手です。

仕事に復帰するために

一度仕事を休み始めると、あるいは仕事を辞めてしまった場合、その状態が永遠に続くのではないかという気がしてしまうものです。

仕事に行けないでいる自分自身を無能だと感じ、責めてしまうということも。

どうすれば、その現状を打破することができるのでしょうか。

うつ病という診断が下りているのであれば、配置・部署を変えてもらったり、時短勤務にしてもらったり、仕事を続けるにしても働きやすい環境にできないかを上司に相談してみましょう。

思い切って休職させてもらうことができるのであれば、その方がいいかもしれません。

環境をリセットすることで、かえって早い復帰が望めるかもしれません。

休職ができるのであれば、その間にしっかり休み、しっかり病院に行きましょう。

仕事がうつ病の原因の一端であれば、いっそその仕事から離れてしまうことが何より効果的ということはあり得ます。

金銭的な不安から、休むことをためらっている人もいるでしょう。

そんな時に利用してほしいのが傷病手当金です。

支給に要件はありますが、健康保険から支払われる手当で、1年6ヶ月の期間受けることができます。

窓口は会社になりますので、診断書と申請書類を用意して、相談してください。

会社がうつ病の原因であるということになれば、労災が下りる可能性もあります。

また、うつ病も障害者年金の対象になります。

症状が重く、働けない場合は検討してもいいかもしれません。

ただ、うつ病は症状を数値化しにくいこともあって、審査が厳しく認定が難しいケースもありますので、申請は専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。

NPO法人障害者年金支援ネットワーク

https://www.syougainenkin-shien.com/

公的な手当や年金は併用ができないので、メリット・デメリットや、状況に合わせた制度を利用するようにしましょう。

また、個人で入っている医療保険が下りるケースもありますので、確認してみてください。

お金の心配をせずに、ゆっくり休んで治療に専念することで、復帰が早くなることがあります。

復帰成功者の声

諦めてしまわなければ、また日がさすこともあります。

実際に、うつ病で仕事に行くのがつらい、仕事に行けなくなっていたけれど今は仕事に復帰しているという人はたくさんいます。

あるいは新しい仕事についているという人もいます。

 

仕事に復帰できたという人の経験談は、励みになります。

それぞれ状況も環境も違いますから、すべてが同じようにはいかなくてもがっかりせずに、参考にできるところは参考にしていければいいですね。

「結論を先に述べますが、しっかりと静養に心掛けて時間を過ごせば、再び会社に行くようになれます。

僕はかなりの重症のうつ病で長引いてしまい、自動的に解雇になるまであと20日と言う、非常に際どいタイミングでの復職になってしまいましたが、それでも何とか間に合いました。」

「復職の見極めが大切になってきますよと言うのと、復職への意欲が多少出てきたら、家で何もせずにいるよりも、僕がそうでしたが、復職支援施設と言うのが、探すとありますので、そう言う施設に通所して、毎日通うことや軽度の作業に慣れて、要は慣らし運転をしておくといいと思います。」

「入院治療が功を奏してじっくりと休養ができました。2ヶ月入院治療後、退院して半月~1ヶ月の自宅療養を経て、一応会社に復帰したのですが、当時、会社はまだメンタル疾患に対する対応のシステムが無く、またうつ病・ノイローゼという精神疾患ということで会社の方も戸惑っていたようですが、私のことを特に心配してくれた方の縁あって負荷のあまり重くない部署への異動が決まり、現在もその部署で働いています。」

「現在でも通院はしていますから、完全な社会復帰とは言いがたいかもしれませんが、ここ5年は無遅刻無欠勤で行けています。今思うには、やはり良い病院と医師との出会い、良い治療法との出会い、そして診察やカウンセリングをコツコツ積み重ねることこそが、結局は社会復帰の早道であり、かつ定期的な通院で再燃を防ぐことが大切なのだと思います。」

Yahoo知恵袋様より引用

まとめ

仕事に行けなくなることもよくあるうつ病。

誰もがうつ病になる可能性を持っています。

病院に行くタイミングや、休職中に使える傷病手当などの制度をいくつか紹介しました。

また、うつ病の渦中にあってつらい思いをしている人や、仕事への復帰を成功させた人の経験を抜粋してお届けしました。

うつ病はきっとよくなりますので、がんばらないでゆっくり休むことを考えていただきたいです。

大変なことではありますが、まじめに頑張ってきたからこそ疲れてしまった自分を認めてあげてください。

いつかつらい時期を過ぎて、トンネルから出られる日が来ることを願っています。