リーキーガット症候群という病気を聞いたことはあるでしょうか?
耳慣れないですが、近年とみに注目度が上がってきているように思います。
日本人の食生活、ライフスタイルの変化で増えている!? リーキーガット症候群に迫ります。
リーキーガット症候群とは?
まず、リーキーガット症候群とはなんなのか、簡単に説明をしていきます。
リーキー(leaky)=漏れる+ガット(gut)=腸…腸漏れや腸管漏れとも呼ばれています。
日本語で書くと腸管壁浸漏症候群。
腸内の粘膜が薄くなり、穴が開くことにより、本来の保護能力を失ってしまっている状態です。
毒素や老廃物、有害物質が腸から漏れてしまい、体に取り込んでしまうことになります。
その結果、さまざまな症状が現れることになるのです。
原因
主に、ストレスや摂取している食物、医薬品、そして生活習慣などが原因になっています。
抗生物質は腸内の善玉菌に干渉し減らしてしまうことになり、また細菌などへの感染や食品添加物・医薬品の摂取、過度のストレスなどが腸に炎症を引き起こしてしまいます。
本来、腸は有害物質が体内に入らないようふるいにかける機能をしているのですが、腸に穴が開いてしまうとこの機能がまさに「ざる」になってしまうのです。
腸内のカンジダ菌の存在も報告されています。
症状
ちょっとした不調のようなものから、深刻で重篤なものまで、リーキーガットが原因になっている症状は多種多様です。
肌荒れや、お腹の張りなど軽微なものもあれば、喘息やアトピー性皮膚炎、過敏性腸症候群などかなり心配なものも。
リウマチやクローン病などの自己免疫疾患にも結び付きかねません。
また、うつ状態や不安感といった精神的な症状も現れてきます。
検査方法
リーキーガット症候群はテレビでも紹介され始めてはいますが、その検査はまだまだ一般的ではありません。
腸管の隙間から漏れ出てしまった食物が引き起こすアレルギー症状を遅延型フードアレルギーといい、その検査をすることでリーキーガット症候群なのかどうかの評価ができるようになっているようです。
一般に行われる即時性アレルギーの検査はIgE抗体を調べるもので、いわゆる食物アレルギー検査ということになり保険も適用されます。
遅延型アレルギーを調べるにはIgG抗体やIgA抗体を採血して検査します。
この検査は、アレルギーの検査を実施しているアレルギー科や内科で受けられますが、保険適用外なので、高額になる場合もあります。
また、どの病院でも受けられるというわけではありませんので、検査を希望する場合には、遅延型アレルギーの検査を実施しているかどうかを事前に問い合わせるようにしましょう。
また、個人で検査キットを購入するという方法もあります。
治療方法
残念ながら、この薬を飲めば治るとか手術をすれば治るといった治療方法はありません。
まずは生活改善というのが、遠回りなようでいて確実な方法だといえます。
睡眠不足や過食を改善したり、添加物・当分の摂取を控えたり、摂取する食品の内容そのものを変えたりといった食事や生活習慣の見直しを行います。
腸を傷つけないようにすることと、善玉菌を増やすことを目的にしていきます。
おすすめ食事メニュー
では、リーキーガット症候群を改善するために、どのような食事が適しているのでしょうか?
腸内環境を整える、といえば、まず乳酸菌が浮かびますね。
この乳酸菌などの体に良いとされる菌を含む発酵食品にもさまざまなものがあります。
ヨーグルトやチーズなどの乳製品、ぬか漬けやキムチなどの漬物、納豆やみそなどの大豆製品等々…
こういった発酵製品のうち、何が体に合っているのかはそれぞれ異なります。
自分に合った発酵食品を見極める必要があります。
発酵食品は善玉菌を増やすことを目的にとりますが、悪玉菌を増やさないようにすることも大事です。
消化の悪い肉類や砂糖などの糖類を過剰に摂取したり、野菜などの食物繊維を含む食品の足りない食事を続けたりすると腸内は悪玉菌優位の状態になってしまいます。
それを避けるためにはやはりバランスのとれた食事をすることが大事です。
では、一体どんなメニューだとこのバランスを保つことができるのかというと、おすすめはズバリ味噌汁。
日本人は古くから味噌を食べてきましたが、やはりそれは日本人の体に合っているからではないでしょうか。
発酵食品である味噌を使った味噌汁にたくさん野菜を入れて食べれば、食物繊維もとれて一石二鳥です。
ただし発酵食品に含まれている菌は熱には強くありませんので、具材を煮こんだ後火を止めてから味噌を加えたら、煮立てないようにします。
おすすめサプリ
食事だけで腸内環境を整えていくのはなかなか大変なことではあります。
リーキーガット症候群に効果のあるサプリメントがあれば、それを摂取したいですよね。
どんなサプリがあるのでしょうか。
薬による治療法がないのと同じで、このサプリを飲めば確実によくなるというものはありません。
ですが、腸内環境を良くすることや、眠りの質をよくして睡眠不足を解消することなどの体質改善や生活改善をする中でリーキーガット症候群も治していく試みはできます。
ビフィズス菌(腸内環境を整える)や、グリシン(眠りの質を高める)、ムチン(粘膜を強くする)などのサプリがおすすめです。
また、傷ついた腸壁を修復するにはL-グルタミン酸というアミノ酸を摂取するといいと言われています。
L-グルタミン酸は食事からはとりづらい成分ですので、サプリメントを積極的に活用していきたいものです。
まとめ
リーキーガット症候群の原因や検査、改善方法などについてまとめました。
日本ではまだ病気としては認知されておらず、治療法はないというのが現状です。
検査をできる病院も限られています。
それでも、身体的・精神的不調の原因として、リーキーガット症候群に陥っている可能性は否めません。
リーキーガット症候群が疑われる、そんな時には睡眠や食生活を見直してみようという提案をさせていただきたいと思います。
快適な生活を送るために、生活習慣や食事の内容などをいま一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
「第二の脳」ともいわれる腸の健康は、免疫機能や美容に大きく影響します。
サプリメントなども活用しつつ、不調から解放されるよう、コンディションを整えていきましょう。