夏本番が近づいてきているのか、汗が垂れるほど暑い夏日が増えてきましたね。
Tシャツで過ごす日が目の前に来ています。
そして、暑い気候に決まって迫る危機と言えば、「熱中症」ですね。
子どもから高齢者まですべての世代、男女問わず起こる可能性があって、命の危険もある症状です。
熱中症予防策には、経口補水液などでこまめな水分補給をしたり、日差しを避けたり、クールダウンできるグッズを使ったりと様々あります。
その中で、最近話題になっている『牛乳による熱中症対策』について、今回はまとめてみました!
牛乳に含まれる栄養素が熱中症にならない体を作ってくれるみたいですよ。
なぜ熱中症は起きるのか
まずは熱中症の起きる仕組みからおさえて、熱中症への理解を深めていきましょう。
暑さ、運動により発汗することで血液量の減少が多くなると、脳や筋肉、皮膚に十分な血液がいきわたらず体温調節機能が上手く働かなくなります。
その体温調節機能が上手く働かなくなることが熱中症の原因なのですね。
つまり、体温調節機能がきちんと働くようにするには以下の2つのポイントがあるのです。
- 血液を送るポンプ力を強める
- 血液の量を増やす
ポンプ力を強めるには、心臓にしっかり血液を送ることができる筋肉が必要となります。
筋肉には、体に水分を蓄えるタンクの働きがあるので、筋肉量が多いと、水分の余裕ができ、熱中症になりにくいのです。
そして、血液の量を増やす点において、牛乳を摂取すると効率が良くなるそうなのです。
牛乳がなぜ熱中症に効くのか
それでは、前述した熱中症対策に、なぜ牛乳が効果的なのかをご紹介しますね。
牛乳には「ホエイたんぱく質」というものが含まれています。
これは良質なたんぱく質であり、プロテインの成分としても有名なものです。
このホエイタンパク質は、体に摂り込まれるとアルブミンという物質に変わります。
アルブミンは体内の水分を血液に集める働きをするので、体内でアルブミンが消化されると血液の量が増加します。
そうすると、血流が良くなり、体温調節機能が作動し、汗の量が増えて体内の熱が逃げやすくなり、熱中症が予防されるのです。
また、運動直後に牛乳を摂取して、効率よく筋肉を作り上げることも熱中症になりにくい体づくりとなるのです。
体づくりは夏本番となる前の5~6月のこの時期に行うのがベストでしょう。
運動は「ちょっときつい」程度が良いそうです。
牛乳はどのタイミングで飲めば良いのか?
牛乳を運動直後に取るのがよいとされていますが、どのような運動で、どのタイミングで飲むのがベストなのかを解説します。
筋肉は、トレーニングによって損傷した筋肉を修復しようと、トレーニング後の30分間、たんぱく質が元のアミノ酸(=筋肉の大好物)をたくさん取り込もうとします。
その取り込もうとする時に良質なたんぱく質を摂取することが効率的と言えるので、運動後30分以内に飲みましょう。
牛乳が飲めない方は、乳タンパクを含むヨーグルトやチーズでもOKです。
さて、先ほど述べたたんぱく質吸収に最適な「ちょっときつい」程度の運動というと、次の条件になる程度と言われています。
- 5分歩くとドキドキ動悸が強くなる
- 10分続けると汗ばむ
- 20分を過ぎるとスネの筋肉が痛くなる
このような、「ちょっときつい」自分の体力の70%ほどを使って行える手軽な運動として、【インターバル速歩】や【楽々スクワット】をご紹介します。
インターバル速歩
速歩では下半身の大きな筋肉をしっかり動かし、エネルギーとなるグリコーゲンを消費し、一部の筋肉組織が傷みむので、たんぱく質が元のアミノ酸をたくさん取り込もうとします。
たんぱく質以外にも糖質も積極的に取り込むので、筋肉トレーニングの効率を牛乳がガツンとあげてくれるのです。
方法は、早歩きとゆっくり歩きを3分ずつ交互に繰り返し、1日5セット以上行うものです。
1日15〜30分、週に3〜4日行うのが熱中症にならない体づくりとなるそうです。
楽々スクワット
夏場に外で速歩をするのが難しい場合、室内でも同様の効果を挙げることができる方法です。
ゆっくりとした動きで、すこしきついくらいのスクワットを行います。
朝夕、10回ずつ行うことを目標にしましょう。
どのくらいの量飲めば良いのか?種類は何でもOK?
運動方法やタイミングが分かったところで、どの程度の量を飲めばよいのかおさえていきますね。
運動後に摂取する牛乳の適量は、200ml~300ml(コップ1杯分)が良いとされています。
牛乳のカロリーは、少なくはないので、たんぱく質などの栄養素をきちんと摂取しながら、カロリーを摂取しすぎないためには、200mlが適量と言えるでしょう。
そして、牛乳の種類ですが、スーパーで売られている牛乳なら、どれも成分に大差はありません。
より効果的な牛乳を選ぶなら、成分表の中のたんぱく質の量をチェックしてみましょう。
200mlあたりのたんぱく質は、平均3~6gとされているので、これを基準に色んなメーカーの牛乳を比べてみましょう。
アレンジのオススメは?
特にアレンジに制限はないそうで、砂糖を加えたり、温めたり、梅シロップを加えるのもアリなようですよ。
砂糖を加える
牛乳に含まれる乳糖は、分解されてブドウ糖(=筋肉を作るエネルギー源)になるまでやや時間がかかります。
そのため、ほんのり甘い程度に砂糖などを加えるのはOKです。
牛乳を温める
牛乳を飲む際はキンキンに冷えたものではなく、少しぬるくなったものの方が胃腸に優しく吸収も早いです。
梅シロップを加える
梅には有機酸(クエン酸、リンゴ酸)が豊富に含まれています。
そのため、梅シロップにすると、甘く飲みやすいだけでなく、疲労回復効果や、血糖値や血圧を安定させ、血液をサラサラにしてくれる効果が期待できます。
この梅シロップを牛乳に加えることで、熱中症対策に適したスーパードリンクとなるのです。
愛犬の熱中症対策にも使える…かも?
これまでおさえてきたことも含めて、熱中症対策は、体の熱を取る、水分を補給する、良質のたんぱく質を与えることがポイントとなりますよね。
これらのこと、人間だけでなく特に犬は要注意なのです。
犬が暑さに弱い特徴として、体温の放出方法が口呼吸か、足の肉球で汗を出すしかないので、非常に体温調節がしづらいことが挙げられます。
さて、犬の熱中症対策に牛乳がOKなのか、ですが、そもそも犬によっては牛乳が合う・合わないがあるのです。
犬用ミルクが売られている程ですので、人間用の牛乳に含まれる乳糖は犬には分解しきれないものなのです。
そのため、牛乳を飲んで下痢になってしまう犬が多くいます。
人間のような熱中症対策に期待して牛乳を与えたい!というのであれば、他の乳製品の方がオススメです。
ヨーグルトやチーズなどであれば、乳糖が含まれていないため、下痢を起こす心配がありません。
これらを与える場合、少量だけを与えるようにし、くれぐれも与え過ぎないようにしましょう。
結論としては、愛犬の熱中症対策には牛乳を与えるより、水や犬用の経口補水液、麦茶を与える方が良いようです。
人間における熱中症に負けない体づくりで説明しましたが、必要なのは筋肉で、その筋肉を効率よく作れる相棒が牛乳なのですよね。
犬を適切に散歩させ、適切な量の食事を与え、肥満体形にさせていなければ、牛乳による効率性は不要なものと考えられます。
血液を送り出す必要なポンプ力を持つ犬であれば、血液量を増やすだけ、水分をきちんと与えるのが一番良い方法と言えるでしょう。
おわりに
熱中症対策に牛乳が役立つのは初耳でした!
毎日のように牛乳を飲んでいますが、意識していませんでした…
熱中症になりやすい時期の前にまずは体を整えておくことが必要なのですね。
牛乳はいろいろな栄養素が含まれているので、うまく使えるかどうかは知識に基づく行動次第です。
そして、愛犬には、牛乳による下痢などのリスクを負うのを避け、犬用補水液や麦茶で十分のようですね。
筋肉をつけて夏の暑さに負けない体にしたい皆様に、牛乳(苦手な方は乳製品)の力が効果を出しますように!